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0089

言葉は謂わば「はっきりと一般化したもの」なので、言葉にした途端にそれの持つ真理よりもかなり限定されたものになってしまう。

言葉が相手に伝達された時点で、それを聴いた者自身がそれまでの経験の中で培った経験による意味になってしまうので、本来こちらが想い感じている意味がそのまま伝わることは稀に近い。

触れたことのない者にその手触りを(触れる以外の方法で)正確にそのまま伝える手段が無いなのと同じだ。言葉は所詮言葉でしかない。言葉にしなければまずほんの僅かも伝わらないという意味では言葉が有意義であることは否定しないが、本来の意味をすべて漏らさず且つ正確に内包する言葉はきっと存在しない。
それ故、未だ禅僧は『不立文字』『教外別伝』を重んじるのだろう。

だから僕は、口数が多いとどうしても感じてしまうことがあるんだ。
話さねば伝わらんと云われても、話したところでお前にこれが伝わるのかと逆に問いたくなってくることもある。

だから僕はお前に謂いたくなってしまうんだ。
『あまりしゃべりすぎるなよ、薄っぺらくみえるぞ』
と。