1. TOP
  2. 日常
  3. 0090

0090

僕は弱い。

十代、二十代のころは、世の中に対して自分ができることがまだまだたくさんあって、地道にやり続けていればどんなことも自分なら可能だという無根拠な自信を持っていて、無根拠なのにそれを信じられる無謀さもあって、そしてとても強がっていた。

様々な挑戦の中で受けた失敗という経験は、懸命に真面目に取り組んで丁寧に積み重ねてきたと思っていたものを一瞬で粉々にする破壊力を以て無根拠で無謀な自信をいとも簡単に木端微塵にし、それを何度も味わうことで跪いた膝が地面から剥がせなくなっていく自分に気づいてから、自分の浅はかさ、説得力の無さを痛感し、何より人としての厚み深みの無さ、薄っぺらい自分の小ささ弱さを存分に思い知らされてきた。

大切な人を、家族を、友人を、同僚を、後輩を、組織を、『自分』の手が守っているつもりだった。支えているつもりだった。『自分』が『僕』が支え守り保つ芯柱だと思って疑わなかった。

でも、そうじゃない。
守られていた。支えられていた。

沢山の人の支えや盾があったから、想うことができたし他者の役にも立ってこられた。
『自分』ひとりがやってきたことなど高が知れたものだった。

そういうことに気づく日々をコツコツと重ねてくることができた。

僕は弱い。
強く在ろうとすることに価値があるというだけの話で、強い者など僕の中の何処にも居ない。

だから今、想えるようになった。
『自分』は弱いと真に感じられて初めて、然るべきそのときに『強く在る』ことができる人間になっていくんじゃないだろうか、と。

僕は弱い。
弱いから、強く在ろうと想える。