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0092

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食事の時「いただきます」といいます。
そのときぼくは、今から食べようとする目の前の食事が、どこでどうやってここへきたのかを思い浮かべます。

どこかで育てられた野菜や穀物。
どこかで飼われていた家畜。
どこかで泳いでいた魚。
降って流れてたまって消毒されてきた水。

それを思い浮かべると、そういうものを食べさせてもらえることへの感謝が自分の中に湧き出る気がして嬉しくなります。

ほとけを彫るときも、同じようにします。
この木はどこで育ったのか。
この木は誰が木片にしたのか。
この木は誰が運んだのか。
わからなくても、想像を巡らせます。
そうすると、彫らせてもらえることが心にしみます。

木槌を壊してしまいました。
一昨年、自分で作った木槌でした。
かたい丸太を鑿で割っていて無理をかけてしまいました。

自分の使う道具はできる限り自分で面倒をみるということに決めています。
先週、新しい木槌を作りました。
使う木のことを考えてから作りました。
家具職人になった学生時代の先輩がだいぶ前にくださった木っ端を大切に少しずつ使っていたものの中から堅くて大きさの丁度良いものを選んで使いました。

本来なら家具の一部になるはずだった丈夫な木に、木槌の頭になってもらうのは申し訳ないところを無理に頼み倒す、そんな気持ちで仕込みました。

大切に使います。
今度は無理な仕事を強いて壊してしまわないよう、大切にします。

山川草木悉皆成仏。